「第1回患者・市民大集会~患者・市民の声を届けよう~」開催
さまざまな疾患の患者と医療にかかわるステークホルダーが集まり、医療政策のあり方を考える
イベント開催に尽力された朝井さん(左)と梅田さん(右)
2024年12月2日、(一社)新時代戦略研究所(INES)主催による「第1回患者・市民大集会」が東京のClub eX(クラブエックス/品川プリンスホテル アネックスタワー内)とオンラインで開催されました。
新時代戦略研究所では、患者・市民の声が明確に政策反映されることが最適な医療サービスの実現につながるとして、『患者目線で革新的医療政策実現を目指すパートナーシップ』の活動を2021年から行っています。
「患者・市民大集会」はこの活動の一環となるもので、患者・患者団体を中心に、政治家や政策立案者、製薬企業などさまざまなステークホルダーが一堂に会し、医療政策立案プロセスへの患者・市民参画の必要性について学び、また患者団体が具体的な支援を得る機会となることを目的として開催されました。
「患者の声を届けよう」支援プログラムでは発表した3団体の助成が決定しました
当日は、新時代戦略研究所理事長の梅田一郎さんの「当事者や家族が病気や障がいの違いを超えて集い、どうしたら行政や社会に声を届けることができるのかを知り、歌や音楽の力で元気になっていただきたい」との開会挨拶からスタート。
次に、「医療政策の決定プロセスに患者・市民の声を届ける方法を学ぶ」と題したトークセッションが行われ、西嶋康浩さん(厚生労働省 医政局医事課長)の基調講演、参加者との意見交換が繰り広げられました。
続いて、患者・市民大集会開催を機に創設された「患者の声を届けよう」支援プログラムへの応募団体による活動計画の発表が行われました。
これは、患者アドボカシー活動のアイデアやプランはあっても、資金や人材不足などの理由で実行できない団体を支援するための助成プログラムで、応募10団体のうちから選ばれた3団体がプレゼンテーションを行い、3団体とも助成が決定しました。第2部は音楽ライブとして、疾患を経験したアーティストなどが歌やメッセージを披露。休憩時間などを利用して参加者同士のネットワーキングも行われるなど、患者や患者団体と産官のステークホルダーの交流の場となりました。
点と点をつなぎ社会に働きかける場に (一社)新時代戦略研究所 代表 朝井 淳太 さん
私たちは、社会保障を中心としたさまざまな分野で政策立案や提言を行うことを目指しています。増え続ける社会保障費、医療従事者の偏在・不足、さらには必要な薬がないといった問題など、医療を受ける際に医療制度の重要性や課題に気づくことがあり、だからこそ、医療を受ける患者や市民の声を医療制度に反映させることが重要であると考えているのです。
今回のイベントは、患者や患者団体の皆さんを中心に、あらゆるステークホルダーが集まり、医療政策立案プロセスへの患者・市民参画の重要性を学ぶとともに、患者団体に具体的な支援機会を提供することを目的として開催しました。加えて音楽を融合することで一般の方にも参加してもらい、病気や医療制度の課題を自分事として考える機会となってほしいと考えています。「政策に働きかけたいがその方法がわからない、余裕がない」という患者団体の皆さんを支援し、それぞれの思いや活動、点と点をつなげて、積極的に行政や社会に声を届けていきたいと思っています。来年からもさらにバージョンアップした形で開催したいと考えていますので期待してください。
「患者の声を届けよう」支援プログラム発表者
●(一社)日本難病・疾病団体協議会 大坪恵太さん
●NPO法人 両育わーるど/難病者の社会 参加を考える研究会 重光喬之さん
●NPO法人 筋強直性ジストロフィー患者会 (DM-Family) 妹尾みどりさん