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真剣に向き合っているうちに、
いつの間にか広がってきた活動の場

第13回
特定非営利活動法人
アレルギー児を支える全国ネット アラジーポット
専務理事 栗山真理子

特定非営利活動法人 アレルギー児を支える全国ネット
アラジーポット 専務理事 栗山真理子

若い頃、私は書家をめざしていました。展覧会の前になると、昼も夜もなく作品の制作に没頭しました。私のことを知らずに書の作品だけを見た人には、男性の作品だと思われていたようです。また、編み物をしたときは、家族のセーターをひと冬に20枚以上編みましたし、洋裁は先生について本格的に習い、コートまで作りました。目の前のことについつい真剣になってしまうところがあるようです。

患者団体の活動も、いただいたこと一つひとつに「二度目のチャンスはない」と思って頑張ってきた結果、活動の幅がいつの間にか広がってきたという感じです。私は病院内の患者団体の事務局長を経て、2002年に「アラジーポット」を立ち上げました。現在の会員数は約1,700名で、アレルギー児とその保護者を支える活動を行っています。アラジーというのは、英語でアレルギーのことです。この言葉から「アラジンの魔法のランプ」を連想し、ランプのように燃え尽きずに、温かいもので満たされているポットに変えて「アラジーポット」と名付けました。また、「名前の由来は?」と聞いてもらえるような、印象的な名前にしたいという考えもありました。

2004年からは、東京大学医療政策人材育成講座を受講して、そこでの卒業研究を一緒にした仲間と実践に移し、患者会の機能についての情報を明らかにする「日本患者会情報センター」を2007年4月に立ち上げました。患者会は患者にとっても医療や医療政策にとっても「社会資源」だと思うので、患者会のもつさまざまな機能を社会に役立てていきたいと考えています。

私は「たたけよ、さらば開かれん。求めよ、さらば与えられん」が基本だと思っています。自ら行動しなければ何も変わらない。しかし、本当に困っていて扉をたたくことすらできない方もいます。手を挙げても見つけてもらえない、声をあげても届かない方もいます。そのような方たちが自分たちで声を上げられるように、行政や医療、社会に声が届くようにはどうしたらいいかなどを、一緒に勉強していきたいと考えています。

そのうちに、再び書道や編み物を楽しむ生活に戻るのだろうなぁとも思いますが、今しばらくは、アラジーポットなどの活動に取り組む日々が続きそうです。