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活動レポート第7回(2006)

活動レポート第7回(2006)

厳しい寒さや豪雪に見舞われたこの冬も、各地でヘルスケア関連団体のユニークな活動が展開されました。ネットワークが広がることによって、活動の具体性や社会性が高まります。今回は、そんな活動の中から、関西地域学習会、阪神大震災をきっかけに生まれた日本IDDMネットワーク創立10周年記念フォーラム、東北ヘルスケアネット学習会の模様をご紹介します。

第7回ヘルスケア関連団体ネットワーキングの会
関西地域学習会 in 兵庫(1月28日)
患者会のよりよい運営方法の知恵を出し合う

尼崎市総合文化センターにて9団体13人の参加で開催されました。はじめに会の運営方法などの情報交換のプログラムを設定。同じ疾患を持つ患者会でありながら、病状や生活環境などそれぞれ違う立場の会員同士がどうコミュニケーションを取るかについて話し合われました。運営方針のズレや事務局をつとめる人間の時間的・精神的負担などの悩みに対して、代表を置かず複数で活動する、仕事を抱えすぎず悩みをわかちあえる機会をつくる、ときには会を縮小する勇気も必要などの意見や知恵が出されました。続いて「医学教育に患者の声を組み込む」ことをテーマに第2回目から継続的に実施している模擬発表へ。今回は腎性尿崩症友の会の神野啓子さんが「小児慢性疾患である腎性尿崩症の見地から」と題して45分の講演を行いました。遺伝疾患である病気の概要から生活上の問題点、患者会の必要性など自身の体験を組み込みながら発表。内容の検討後、今後この模擬発表では話す対象を医学部か看護学校か、学生の年次まで明確に絞り込んで内容をつくることを決定しました。懇親会では関西学習会のホームページ立ち上げについても話し合われました。

日本IDDMネットワーク創立10周年
「1型糖尿病を考える全国フォーラム」in 東京(1月28~29日)

患者と家族の未来に向けて、安心して暮らせる環境をめざす

日本IDDMネットワークの創立10周年を記念して「1型糖尿病を考える全国フォーラム」~患者と家族の未来に向けた多様な選択肢~が開催されました。

1月28日は明治大学アカデミーホールにおいて、川村智行医師(大阪市立大学大学院発達小児医学教室)による「1型糖尿病の最新インスリン療法について・ポンプ療法を中心に」、松本慎一医師(京都大学医学部附属病院膵島移植チームリーダー)による「膵島移植 1型糖尿病根治へのロードマップ」という最新の医学講演と、「セルフマネジメント(自己管理)」の紹介が行われました。また病気を克服して活躍するエアロビックユース世界チャンピオン大村詠一さんや歌手HANZOさんが登場したり、阪神タイガースに入団した岩田稔選手のビデオ・メッセージ、地球博プロデューサーを務めたジョン・ギャスライトさんによる親の立場からの講演など、バラエティ豊かなフォーラムとなりました。

1月29日は、家の光会館・飯田橋レインボーホールに場所を移して、分科会が開かれ、「医療者とのより良いコミュニケーション」や「カーボカウント」「学校関係者と家族のための1型糖尿病教室」「災害時の行動指針と支援」という4つのテーマに基づいて議論が行われました。

1型糖尿病は、稀少な病気であるため、一般社会ではもちろん、医療現場でさえ、病気が正しく認知されておらず、患者さんや家族が社会生活において心無い差別を受けたり、適切な療養指導が受けられなかったりする現状があります。

今回のフォーラムは、こうした課題を克服するため、1型糖尿病に関する最先端の医療情報、自己管理の支援ツール等の多様な選択肢や当事者の体験談を提供し、安心して生活できる環境づくりを考えると同時に、広く一般の人々にこの病気と患者を取り巻く環境を理解してもらうことを目的に開催されたものです。

東北ヘルスケアネット学習会 in 仙台(2月5日)
各団体の現状と課題を学び合い、今後の具体的な活動を考える

2月5日第5回東北地区の「東北ヘルスケアネット学習会」が開かれました。

これまでの学習会において、それぞれの所属する患者団体・障害者団体の種別を超えた共通課題について話し合っていくことが確認されました。第5回を迎えた今回は、日常生活・社会生活に関する課題、医療関連に関する課題について、数人が発表を行い、意見交換がなされたあと、ホームページの進行状況や今後の会の在り方について具体的な話し合いが行われました。

今年も東北地方は豪雪に見舞われましたが、こうした厳しい自然環境などの条件をかかえる東北で、ヘルスケア関連団体がネットワークづくりを進めることによって、何ができるのか、どのように東北の地域社会を変えていくことができるのか、初めて参加したメンバーも交えて活発な議論が交わされました。また、東北ヘルスケアネットが、具体的に活動を行っていくうえでの役割分担や事務局体制などについても話し合いが行われました。

※東北ヘルスケアネットのホームページがアップしました。