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活動レポート第18回(2009)

活動レポート第18回(2009)

地域でのネットワークを広げ、情報やノウハウを共有し、それぞれの活動を充実させていこうと各地で積極的な取り組みが行われています。そこで今号では、2009年3月から5月にかけて開催された北陸・九州・関東・沖縄の地域学習会の様子をレポートします。

第7回 北陸学習会 in 富山(3月29日)
「患者会の役割~元気が出る会運営に何が必要か」をテーマにグループ討議

2009年3月29日に富山で第7回北陸学習会が開催されました。今回は「患者会の役割~元気が出る患者会運営」をテーマに3つのグループに分かれて討論と発表を行いました。

1つ目のグループは、団体の運営に対する「温度差」に着目しました。より元気な患者会を目指すための提案として、まず役員と会員の温度差を埋めるために活動は会員へのアンケート調査をもとに行うこと、また事務作業の簡素化と透明化を図ることなどが挙げられました。

2つ目のグループは、「患者会の元気とは何か」というところから討議を進めた結果、医療従事者の参加を増やし、また医療制度や医療の最新情報を学習し、「次も参加したいと思える患者会にしよう」という提案に至りました。また、患者さんを介護する家族を支えていくことも重要であると発表しました。

3つ目のグループは「自分が楽しくなる会運営」を目指し、お笑いの要素を取り入れること、一般会員とのこまめなコミュニケーションを心がけることにより、リーダーが会員とともに楽しく活動し、会員が現状からの一歩を踏み出すきっかけを提供しようと発表しました。

最後に、30年の運営キャリアがある団体のメンバーから、「新しい団体も既存の団体の良い点を取り入れ、元気な患者会となってほしい」と励ましの言葉が述べられました。

参加団体
OPLL友の会/小児がんの子どもを守る会/ NPO法人日本IDDMネットワーク/ 変形性股関節症のぞみ会北陸支部/ NPO法人難病ネットワークとやま/ 認知症の人と家族の会富山県支部/ 富山IBD/日本ALS協会富山県支部/ 富山県後縦靱帯骨化症患者家族会/ SCD(脊髄小脳変性症)友の会/ 富山県難病相談・支援センター

第9回 九州学習会 in 佐賀(4月12日)
臨床心理士を講師に招き相談の基本的な対応について研修

佐賀県難病相談・支援センターにて、佐賀大学保健管理センターの臨床心理士、黒岩淑子先生を講師に招き、相談の基本的なノウハウについて研修を行いました。今回はヘルスケア関連団体のリーダー、団体の相談担当者、難病相談・支援センター相談支援員ら、九州の5県から34名が参加しました。 前半の講演では、カウンセリングは、耳と心でひたすら聞く「傾聴」、相手を受け入れる「受容」、相手の感情を汲む「共感」、ありのままの自分で接する「自己一致」が大切と黒岩先生。自己を理解しておくための心理テスト〈エゴグラム〉を全員が行い、自分の性格を知ることで相談者に対してよりスムーズに対応できることを学びました。後半では、カウンセラーの心の健康を守るためのルールやテクニックとして、時間制限や場所を決める、守備範囲を超えた相談への対処の仕方、さらにストレスをためないための手軽にできるリラックス法、〈深呼吸〉や〈肩上げリラックス法〉などを教えていただき実習しました。 質疑応答では、「苦手なタイプの相談者を受容できない」「本人ではなく親しか相談に来ない」「カウンセラーに相談者が恋愛感情を持ち始めたときの対処法」「常に医療関係者への悪口を言い続ける」など、日々の相談業務からの切実な質問が出ました。黒岩先生の丁寧なアドバイスに加え、参加者からも「うちの場合はこう対処している」などの意見が活発に飛び交い、非常に有意義な学習会となりました。

参加団体
佐賀県ALS患者家族会/熊本IBD/ NPO法人佐賀県難病支援ネットワーク/ 佐賀大学医学部/NPO法人ゼンセイネット/ 全国膠原病友の会佐賀県支部/ 全国パーキンソン病友の会佐賀県支部/ きらめき会/上益城ゆうじん喜びの会/ (社)日本リウマチ友の会熊本県支部/ NPO法人日本IDDMネットワーク/ 血液疾患患者と家族 晴れの会/ 線維筋痛症友の会九州支部/ (社)日本リウマチ友の会鹿児島県支部/ 日本ALS協会鹿児島県支部/ 長崎県難病相談・支援センター/ 福岡県難病相談・支援センター/ 宮崎県難病相談・支援センター

第14回 関東学習会 in 東京(5月10日)
「行政への取り組み」をテーマに体験発表やディスカッションが行われる

東京・新宿のファイザー本社にて、第14回関東学習会が開催されました。

今回は「行政への取り組み」をテーマとして、まず「下垂体患者の会」のはむろおとやさんが「難病制度の過去・現在・未来を語る」と題した発表を行いました。下垂体機能障害の特定疾患追加指定を目指した活動をふまえ、はむろさんは「難病をめぐる状況は変化している。今は、署名や政治家の口利きより、研究者や医師とのつながりが重要」「各患者団体が共通項を見つけ、しっかりと手を結ぶことを時代は求めている」と語りました。

次に、「中枢性尿崩症の会」の大木里美さんが、小規模な患者団体として、また主婦として、まったく未経験の状態からどのように情報や知識を得て、ネットワークを広げ、難病指定を目指す活動に取り組んできたかを述べました。行政や政治家とのかかわり方、当事者ゆえの体調の問題など、具体的な体験談に多くの参加者が興味深く聞き入っていました。

発表を受けてのディスカッションでも活発な意見交換が行われ、各団体から学会への参加やマスメディアの利用など具体的な事例が紹介されました。最後に、「いかにまとまって要望していくか、いかに効率的に働きかけていくかが重要であり、そのためにはこのようなネットワークがとても役立つ」というはむろさんの言葉に、難病指定を目指す団体のメンバーも「有意義な話が聞けたので私たちもがんばっていきたい」と応え、充実した雰囲気の中で学習会は終了しました。

参加団体
あすなろ会/板橋サンソ友の会/ 下垂体患者の会/CMT友の会/ 社会福祉法人 小茂根の郷/ 腎性尿崩症友の会 /竹の子の会/ 全国CIDPサポートグループ/ (社)全国脊髄損傷者連合会/ NPO法人 線維筋痛症友の会/ 中枢性尿崩症の会(CDIの会)/ NPO法人 日本IDDMネットワーク/ (社)日本オストミー協会/ 全国HAM患者友の会/ CAPS患者家族の会

第9回 沖縄学習会 in 沖縄(5月11日)
団体紹介ツールの実習制作を通して活動を振り返りパソコン技術の向上を図る

前回の学習会に引き続き「会を伝える」をテーマに、所属するヘルスケア関連団体を紹介する広報物を、パソコンソフトを使って実習制作しました。前回の学習会で制作時の必須項目として挙げられたのは、「タイトル」「設立の趣旨」「活動内容」「役員紹介」の4項目でした。今回はそれらを実際に画面上で作っていく中で、どのように効果的にアピールしていくかを検討しました。

初めてパソコンに触れるという参加者もあり、文字のポイントや行数、写真の配置など、パソコン操作が得意な参加者がフォローしながら制作が進められました。参加者からは、簡潔に見やすくまとめるために疾患の症状、設立主旨や活動内容をどう要約すればいいのか、インパクトのある写真選びや構成のメリハリなどについて考えることができたという感想がありました。また、パソコンでやりたかったことができるようになった、個人的にパソコンを勉強してみようと思ったという感想も。

3時間という限られた時間内に仕上げられたのは1団体でしたが、団体の活動を改めて振り返る良い機会となりました。学習会でのこういった作業を通して、伝えることの大切さを再認識し、同時にそのテクニックの一つとしてパソコンの操作技術もレベルアップしていこうというまとめとなりました。

参加団体
沖縄県難病相談・支援センター NPO法人アンビシャス/ 沖縄IBD/ てぃんさぐの会/ 全国膠原病友の会沖縄支部/ もやの会(もやもや病の患者と家族の会沖縄県ブロック)/ 全国パーキンソン病友の会 沖縄県支部