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2009年度 地域学習会合同報告会&進行役スキルアップ研修 in 東京(7月18日・19日)

2009年度 地域学習会合同報告会&進行役スキルアップ研修 in 東京(7月18日・19日)

全国8地域が一堂に会して学び、共有する合同報告会開催

7月18日~19日、地域学習会合同報告会と進行役スキルアップ研修が東京のアポロ・ラーニングセンターで開催され、ヘルスケア関連団体ネットワーキングの会(VHO-net)の世話人、各地域学習会運営委員やワークショップ準備委員などが参加しました。今までの活動を通じて親交のあるメンバーも多く、終始なごやかな雰囲気での研修・報告会となり、また活発な意見交換や新しい提案も行われるなど、ネットワークの広がりや地域学習会の着実な歩みが感じられた2日間でした。

進行役スキルアップ研修よりよりよい進行役としてのスキルを会得するために
ヘルスケア関連団体進行役スキルアップ研修「ファシリテーション・スキル」

進行役スキルアップ研修は、全国のヘルスケア関連団体のリーダーが集まる合同報告会の機会を利用して開催されたもので、地域学習会や所属団体などの会議を効率よく円滑に進めるためのスキルを会得することを目的としています。今回は会議をうまく進行させるためのテクニックである「ファシリテーション・スキル」を学びました。研修は、参加者が順に進行役や書記、発表者を経験するワークショップ形式で行われ、特に進行役としての課題点は講師がチェックし、その評価が本人にも伝えられました。

講師を務めたファイザー株式会社の矢萩隆文氏は、「会議やミーティングの目標を達成できるようなスキルを会得し、今後、ヘルスケア関連団体の運営に関わる中で役立て、実践してほしい」と述べました。研修参加者からも「地域学習会や所属団体での活動にとても役立つ」「次回の学習会にさっそく活かしたい」などの感想が聞かれました。

北海道から沖縄まで、全国8地域学習会がますます多彩に広がり、充実する活動を報告
北海道学習会

地域学習会の活性化が課題であった北海道学習会。「(財)北海道難病連」の協力を得て多くの団体の参加を目指す方向で準備を進め、昨年11月に第5回学習会を開催しました。「会の運営、何に困っているの」と「伝える」をテーマに話し合い、「後継者の育成とバトンタッチが難しい」「本部と北海道支部ではギャップがある」「北海道内での地域差が大きい」などさまざまな意見が出ました。初めての参加者が多数でしたが「刺激をもらった」との感想も述べられ、好評でした。

また、会報作成が課題という団体が多かったことをふまえて、次回の第6回学習会では、どなたか講師を招いて、会報について考える予定です。

東北学習会

要援護者の視点での災害時対策に取り組んできた東北学習会では、仙台市の大規模災害発生時のオストメイト用パウチの協定締結や、「障害者施策実施モニタリング」への参加などの成果を得ました。また6月に福島で開催した第14回学習会では、「医療を考える」をテーマとしてMSW(メディカル・ソーシャル・ワーカー)の講演を行うなど活動の幅を広げています。

これからは仙台市の成功事例のプロセスを、他地域や他の団体の問題解決に結びつけることが課題です。「東北の隅々の地域社会を私たちが生活しやすい地域社会に」という思いを大切に、団体相互や医療専門職との連携、行政への参画、災害に備えるための地域社会の構築などを行っていきたいと考えています。

関東学習会

関東学習会では、「新しい情報を得たい」「情報交換や意見交換もしたい」という参加者の要望に基づき、昨年は『患者と作る医学の教科書』のプロジェクトとも連動して、4団体がそれぞれの疾病や生活上の悩みについて発表し、意見交換を行いました。

今年は共通する課題を発表テーマに取り上げることとし、5月の第14回学習会では「下垂体患者の会」「中枢性尿崩症の会」が「行政への取り組み」について発表しました。今後はホームページの活用やピアサポートをテーマに発表と討論を行う予定です。

参加者がただ「聞きに来る」だけではなく、事前にテーマに沿って自分の会の活動を整理し、積極的に討論に参加することを目指していきたいと考えています。

東海学習会

東海学習会は三重・愛知・静岡の難病連が中心となって運営しており、昨年11月には、患者会の活性化と後継者づくりをテーマに第3回学習会を行いました。今年6月の第4回学習会は「団体の協働のあり方」をテーマに、協働の概念や基本姿勢、県市町村レベルでの協働、企業などとの連携などについて宿泊学習会でじっくり話し合いました。

地域学習会について「所属団体の運営だけでも大変なのに」という不安もありますが、メンバーから「前向きになれた」「協働して大きく前進することを実感した」などの意見もあり、また岐阜の団体も参加するなどネットワークも広がってきており、大きな成果があると感じています。

関西学習会

関西学習会では、医学教育に参画するために模擬講演に取り組み、昨年8月の第12回学習会は「竹の子の会」、今年1月の第13回は「日本マルファン協会」が発表を行いました。パソコンを使わずに訴えたり、逆に上手にパワーポイントを使って発表するなど、それぞれに特徴があることを学びました。3月の第14回学習会では、ファイザー社友会の梶田修氏を講師にコミュニケーションやプレゼンテーションについて学びました。

運営委員や参加メンバーの増員、ピアサポート技術の向上などが今後の課題であり、また大阪では公共施設の閉鎖が相次いでいるため会場の確保も大変ですが、楽しく学ぶという基本姿勢を大切に活動していきたいと考えています。

北陸学習会

医療過疎、地域活動の希薄さ、患者会の少なさなどの課題を抱える北陸ですが、新しい患者会の発足や支援者の協力もあり、学習会も徐々に活性化しています。

今年は「患者力について~元気が出る会運営」をテーマとし、3月の第7回学習会では、寸劇によって医療者や家族などさまざまな立場の人の気持ちを学びました。

また、学習会で学んだスキルを所属団体の活動に応用しようと呼びかけ、「全国パーキンソン病友の会」の大会分科会などに活かしました。また学習会の開催後に発行しているニュースレターも好評です。

今後は、北陸地区4県へネットワークを広げていくことなどが課題と考えています。

九州学習会

九州学習会では、今年1月に難病支援相談員の心のケア、情報の共有などを目的とする教育研修・患者力の育成に向けた研修プロジェクトを立ち上げました。その後、難病支援相談員教育研修と学習会を二部構成で開催しており、4月の第9回学習会では臨床心理士による「相談の基本的な知識」の講演、6月の第10回学習会では社会保険労務士による「年金の基本的な知識」の講演を行いました。

九州学習会の活動の中で、プロジェクトにどのように取り組んでいくかが課題ですが、宿泊研修を活用するなどして時間を確保し、団体相互の情報交換やネットワークづくりも充実させていきたいと考えています。

沖縄学習会

沖縄学習会では、「伝える」という昨年度のワークショップのテーマに沿って、講座形式の学習会を行っています。具体的な作業を通して各団体のスキルアップにつなげており、新しい「伝えるツール」の作成や、既存の会報のリニューアルなどの成果も生まれています。今後は、単なる技術的なスキルの会得だけではなく、伝える内容の充実などを検討していきたいと考えています。

最近では、やっと学習会の存在が地域に認知されるようになり、参加者同士で課題の共有もできるようになってきたので、さらに各自の積極的な参加や、もっと学習や討論の時間を確保することなどを目指していきたいと考えています。

自由討論では「難病連とうまく連携したい」「疾病や障がい、地域など枠を越えた広がりが出てきた」「もっと楽しくつながりたい」「楽しめて勉強できる共有の場と考えている」「稀少難病などの団体とも連携できてよかった」「学んだことを地域に還元していきたい」「もっと積極的にかかわっていきたい」「宿泊学習会は討論や親睦も深められる」など前向きな意見が多く述べられ、またピアサポートや教育現場への働きかけなどについての提案もあり、これからの各地域学習会の一層の充実が期待できる合同報告会でした。