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活動レポート第22回(2009・2010)

活動レポート第22回(2009・2010)

地域でのネットワークを広げ、情報やノウハウを共有し活動を充実させていこうとする、各地での取り組みをレポート

第15回 関西学習会 in 大阪(2009年12月27日)
新たに3団体を迎えて、看護学生を想定した模擬発表とその検討

年末にもかかわらず16団体23名、そのうち初参加3団体7名という多数の参加者が集まり第15回関西学習会が開催されました。

まず、患者の声を医学教育に組み込むというテーマに沿って、「全国膠原病友の会」滋賀県支部の森幸子さんが、看護学生向けを想定した模擬発表を行いました。膠原病に含まれる疾患のひとつ、全身性エリテマトーデス(SLE)の当事者として、症状や治療法、副作用への対策などについて紹介。約25年間に及ぶ病歴を年表にまとめ、服用した薬の名前などもわかるように工夫していました。妊娠・出産、子育ての中での闘病、家族の支え、折々の心理状態について語る中に、看護師の対応で安心できたこと、不安になったことなどのメッセージを盛り込み、「患者が話をしたいと思える看護師になってください」と結びました。 検討会では「年表は時系列がわかりやすい」「ピアカウンセリングの紹介もあってよかった」「学生は臨床経験がないので、患者としての思いをもっと伝えたほうがいいのでは」「こんな看護師になってほしいと箇条書きでまとめては」などさまざまな意見が出ました。

続いて会報編集についての情報交換があり、ファイザー株式会社の喜島さんを講師にパソコンソフトでの画像処理や書体選びの注意点など、会報づくりの工夫を研修。みんなで共有できるイラスト集がほしいという意見に、関西学習会のホームページ「わ・ネットKansai」からダウンロードできるようにしたらどうかなどのアイデアが出されました。

参加団体
小さないのち/大阪・ひまわりの会/ ひょうごセルフヘルプ支援センター/ 日本ハンチントン病ネットワーク(JHDN)/ 腎性尿崩症友の会/ 全国膠原病友の会 滋賀支部・大阪支部/ 関西ほっとサロン/ 口唇口蓋形成不全ネットワーク 大空会/ ドリームファクトリー/ あけぼの兵庫/竹の子の会/ しらさぎあいあい会/ 宝塚認知症介護者家族の会 ほのぼの会/ CMT友の会/ 近畿SCD・MSA友の会

第16回 関東学習会 in 東京(2010年1月17日)
ピアサポートを2010年の活動テーマに決め、年間計画を決定

1月17日、第16回関東学習会が開催されました。まず、2009年10月に行われた第9回ヘルスケア関連団体ワークショップの動画が放映され、参加したメンバーがグループ発表の報告を行いました。「つづける」をテーマとした今回のワークショップについて「活動を続けるよいきっかけとなった」「悩みや課題を率直に話し合うことができ、元気をもらった」「有意義なテーマだったので役立った」「患者団体としての先輩たちの経験や意見が勉強になった」「さまざまな立場の人と意見交換ができた」などの感想が述べられました。

次に、2010年の活動テーマを決めるために、各団体の課題やリーダーとしての目標などを話し合いました。その結果、「モンスター会員への対応」「未承認薬への取り組み」「病院内でのピアサポートの実現」「病気の認知度を高めたい」「小児科や内科との連携を進めたい」など、それぞれの疾病や障がいの違い、また団体としての歴史や成熟度によってさまざまな課題やトピックスがあることがわかりました。その中から、多くの団体が共通して取り組めるテーマとして「ピアサポート」を取り上げ、ピアサポートに携わる側からのテキストやマニュアル作成のプロジェクトも視野に入れながら、宿泊研修や講師を招いての研修を行っていこうと年間計画が立てられました。

最後に、各団体からの情報提供や、団体の会計処理などについて情報交換も行われ、2010年最初の関東学習会は盛りだくさんな内容となったようです。

参加団体
あけぼの会/ CMT友の会/ 腎性尿崩症友の会/ (社)全国脊髄損傷者連合会/ NPO法人 線維筋痛症友の会/ 竹の子の会/ 中枢性尿崩症の会(CDIの会)/ (社)日本オストミー協会/ 全国HAM患者友の会/ CAPS患者家族の会/ NPO法人環境汚染等から呼吸器病患者を守る会(エパレク)/ 日本プラダー・ウィリー症候群協会

第12回 沖縄学習会 in 沖縄(2010年3月1日)
臨床心理士を講師に招き、ピアカウンセリングの意義と手法を研修

第12回沖縄学習会が「ピアカウンセリングの基礎知識」をテーマにして、沖縄国際大学教授で臨床心理士の上田幸彦氏を講師に招き開催されました。 まず基礎知識として、言葉を使わない「ノンバーバルコミュニケーション」について、身体の向き、姿勢、目線の向け方など、相談者がより話しやすくなる手法を学びました。次の「共感」では、相手の思っていることに賛同できるようになること、それには自分の似たような体験を思い起こし想像力を働かせる、自分の感情を振り返るといった日頃の訓練が必要だと教わりました。 その後3人1組となり、相談者、カウンセラー、その観察者の役で演習を実施。全員が3つの役を経験した後の感想では、カウンセラーは「間が空く」ことが怖いと感じやすいことが挙げられ、沈黙を恐れず待つという姿勢が大切であると学びました。また「カウンセラー側からの質問の是非」については、相談者の話したいことを引き出したり、話題を変えたりするための質問は有効だとアドバイスを受けました。 最後に、問題解決方法には、(1)問題やストレスの原因そのものをなくす「問題中心型」、(2)不安やイライラの気持ちをコントロールする「情緒中心型」、(3)問題を投げ出してしまい、心身に一番良くない「回避・逃避型」の3つがあり、(1)と(2)の両方を持っていることが大切です。そこで今回、(1)について具体的な解決への流れの研修を受けました。 ピアカウンセリングは当事者でもあるカウンセラーが体験例を示すことで相談者が希望を見いだす、またカウンセラーも「愛他主義」、つまり人の役に立っていて幸福だという感情が持て、双方にメリットが生まれます。ピアカウンセリングの手法について具体的に学べ、今後もピアカウンセリングについて研鑚していくことを確認できた、有意義な学習会となりました。

参加団体
沖縄県難病相談・支援センター認定NPO法人アンビシャス/ 沖縄IBD/ 日本ALS協会 沖縄県支部/ 全国膠原病友の会 沖縄支部/ 全国パーキンソン病友の会 沖縄県支部

第10回 北陸学習会 in 富山(2010年3月6日)
「伝わる・つながる・広がるコツ」をテーマに、伝え方を学ぶ講習会を実施

3月6日、第10回北陸学習会が富山市で開催されました。 2009年は「元気が出る会運営には何が必要か」をテーマに活動した北陸学習会。2010年は、団体の会員や社会に向けてメッセージや情報の伝え方を考えていこうと「伝わる・つながる・広がるコツ」を年間テーマとしました。そして、各団体の広報誌や機関誌、お知らせ、チラシなどを題材に、伝え方のスキルアップに取り組むことになりました。 今回はまず基礎編として、市民活動団体の情報化を支援するNPO法人PCTOOL代表・能登貴史さんを講師に迎え、「団体の立ち位置を確認しよう」をテーマに講習会を行いました。講習はワークショップ形式で進められ、「自分たちはどういう団体なのか、どう見られたいのか」「聞く人の立場を想像しよう」「課題を整理しよう」「コミュニケーションの課題を決めよう」「誰に何を伝えるのかを整理しよう」「伝えるメディアを考えよう」などの課題に、参加者それぞれが取り組みました。 「パソコンという道具を用いて、豊かな人間関係を築くお手伝いがしたい」と語る能登さんは、円滑な会議運営のための場作りや、参加者がうち解けるヒント(アイスブレイク)など、活動をスムーズに進めるためのアドバイスも盛り込んで、充実した内容の講習となりました。 最後に、団体のコミュニケーションのあり方を振り返るシートの作成が宿題として出題されました。このシートを元に、次回の学習会も能登さんを講師に迎え、具体的な「広報力の高め方」について学ぶ予定です。

参加団体
沖縄県難病相談・支援センター認定NPO法人アンビシャス/ 沖縄IBD/ 日本ALS協会 沖縄県支部/ 全国膠原病友の会 沖縄支部/ 全国パーキンソン病友の会 沖縄県支部