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活動レポート第25回(2010)

活動レポート第25回(2010)

第5回 東海学習会 in 愛知(2010年8月28・29日)
災害時、難病患者はどう対応するかをテーマに宿泊研修を実施

第5回東海学習会が1泊2日で開催されました。テーマは「難病・慢性疾患・障がい者のセーフティーネットを討論・探求―制度・災害をつうじて生きる最低の保障―」。

まず最初に静岡県立大学短期大学部看護学科講師の今福恵子さんが「難病患者さんの災害準備について」と題し、東海・東南海・南海地震の連動被害想定や、薬の備蓄など災害時の不安などについて、静岡県や三重県のアンケートに基づいて発表。大規模災害にいかに備えるかについて問題提起を行いました。

これを受けて3つのグループに分かれワークショップがスタート。災害時の避難所の問題点、個人情報保護法との兼ね合い、行政と連携した災害マニュアルの必要性、患者団体・難病連の役割、緊急医療手帳の大切さなど、さまざまな課題について討論し、すでに実行している団体は事例を紹介し、情報を共有しながら議論を深めていきました。

翌日のまとめ発表では、「自分の身は自分で守る。住んでいる自治体の防災・備蓄体制を知る自助努力が大切」「地域の防災訓練に参加して難病患者対策がなされているかを検証し、行政への予算要請につなげていこう」「患者団体として個人情報の公開について議論しておく必要があるのでは」「災害弱者の中に難病患者を含めるよう行政により強く求めていく」などの意見が出されました。

公助に頼るだけでなく、患者自身が防災について行動を起こすことの大切さを確認した意義ある学習会となりました。

参加団体
ポリオ友の会東海/ 竹の子の会/ 進行性核上性麻痺の患者会 / (社)全国パーキンソン病友の会愛知県支部・静岡県支部 / 日本二分脊椎症協会 東海支部 / 岐阜稀少難病くぬぎの会 / NPO法人 愛知県難病団体連合会/ 東海脊髄小脳変性症友の会/ 日本ALS協会 愛知県支部/ 全国膠原病友の会 三重支部/ 三重心臓を守る会/ NPO法人 静岡県難病団体連絡協議会/ ベーチェット病友の会 静岡県支部/ 静岡・災害支援ボランティアの会

第18回 関東学習会 in 東京(2010年9月12日)
「事例報告を基に話し合いピアサポートについての課題を共有

9月12日、第18回関東学習会が「ピアサポート」をテーマとして、東京のファイザー本社で開催されました。

今回はまず3団体の事例報告が行われ、最初に社団法人日本オストミー協会の山根則子さんがピアサポートの成功事例を紹介しました。悩んでいた新メンバーが先輩会員への相談や宿泊研修などを経て元気を取り戻した例で、対応した側にとっても学びや成長になったと述べました。

次に「肺高血圧症研究会」の重藤啓子さんが、若い会員へのサポートの経緯を紹介し、「共感が相手の心をほぐす」「サポートする側も励まされ、助けられている」など自らの気づきを述べ、今後もサポートを続けていきたいと話しました。

最後に、「あすなろ会」(若年性関節リウマチの子どもを持つ親の会)の石垣成子さんが、ピアサポートが残念ながら成功しなかった事例を紹介しました。子どもの病気への不安や主治医への不満など会員の悩みに親身に対応したのに、結果的に会員が脱会して関係が途切れた例で、その原因として考えられることやピアサポートを行う上での問題点などを述べました。

事例報告を受けて参加者が感想や自らの体験を述べ合い、「ピアサポートには知識や専門性よりも寄り添うことが重要ではないか」「他の団体の事例報告は参考になる」「課題を共有して今後に活かしていきたい」などの意見が出ました。

今後の関東学習会の取り組みについても話し合い、次回もピアサポートをテーマに事例報告と討議を行うことになりました。

参加団体
CAPS患者・家族の会/ CMT友の会/ NPO法人 のぞみ会(変形性股関節症の会)/ NPO法人 線維筋痛症友の会/ NPO法人 日本IDDMネットワーク/ あすなろ会(若年性関節リウマチの子どもを持つ親の会)/ つくしの会/ (社)日本オストミー協会/ ポリオの会/ 腎性尿崩症友の会/ 全国HAM患者友の会/ 中枢性尿崩症の会(CDIの会)/ NPO法人 日本プラダー・ウィリー症候群協会/ NPO法人 エパレク/ NPO法人 肺高血圧症研究会/ (社)全国脊髄損傷者連合会

第17回 東北学習会 in 福島(郡山)(2010年10月2日)
音楽療法を体験し、「癒し」について話し合う

第17回東北学習会「医療を考える」(サブテーマ‥癒す)が、福島県郡山市において開催されました。

今回はまず、福島県音楽療法士協会の斎藤由香さんと高田真紀子さんを講師に迎え、「音楽を楽しみましょう!癒されましょう!」と題した音楽療法を体験しました。童謡などなじみのある曲に合わせて、指や手を使ったリズム運動、発声練習、楽器演奏などに楽しく取り組みました。また東北福祉大学総合福祉学部の渡部純夫教授の指導で、音楽療法による「癒され度チェック」を行い、主観的な変化を客観的に計る方法があることを学びました。

学習会の後半には「癒し」をテーマに2つのグループに分かれてグループワークが行われました。1グループでは、患者団体のリーダーとして、あるいは相談を受ける側としての悩みや困りごと、癒しについての経験などを語り合い、東北学習会の場で情報や課題を共有したり、ともに学んだりすることが自分たちの癒しになっているのではないかと話し合いました。

2グループでは、リーダーのストレスの原因やその解決策を中心に話し合いました。悩みやトラブルは他の役員や会員、団体の本部や難病連に相談するなどしてリスクを分散した方がよいという意見や、リーダーには相談に対応するためのトレーニングや団体同士のネットワーク、情報交換などが必要であり、そのためにも東北学習会を役立てていきたいという意見が述べられました。

今回、初めて秋田や岩手からも参加者があり、青森、宮城、福島と合わせて東北5県に増えたことから、今後は岩手などでも積極的に東北学習会を開催し、ネットワークを充実させていこうと確認し合い、学習会は終了しました。

参加団体
あすなろ会(若年性関節リウマチの子どもを持つ親の会)/ 全国膠原病友の会 秋田県支部/ 全国膠原病友の会 岩手県支部/ NPO法人 線維筋痛症友の会 東北支部/ 仙台ポリオの会/ 宮城コンチネンス勉強会/ 仙台市障害者福祉協会/ 福島県腎臓病協議会/ (社)日本リウマチ友の会 福島県支部/ 福島県難病連 / ピンクのリボン

第14回 沖縄学習会 in 沖縄(2010年11月6・7日)
子ども時代からの体験を織り込んだ口唇口蓋形成不全ネットワークによる模擬発表

第14回沖縄学習会が1泊2日で開催されました。テーマは第10回ヘルスケア関連団体ワークショップを踏襲し「集う・楽しむ・見つける」~これまでを振り返り、未来のために~。まず振り返りとして全国膠原病友の会沖縄県支部の阿波連のり子さんが、12歳での発症から再燃と寛解を繰り返す中、友の会と出会い、患者として専門家となり、病気を味方にして輝けるようになったと発表しました。そして、VHO-netの活動に参加しての変化や発見については、患者団体同士が横につながりパワーアップした、学習会などの様子をDVDに録画し看護学生に見せたところその患者力に驚き・感動してくれた、自分も楽しみ周りも楽しいことを実践していくと、人が集まってくるなどの意見が出ました。

笑い声のたえない夜の懇親会を経て、翌日は今後の展望について話し合いました。沖縄県には39の離島があり12万人の住民がいる、その人たちの声をすくいあげていきたい。外出できない人のために当事者の家庭で行う交流会を充実させたい、リーダーのストレスマネジメントの勉強会を開こうなど、さまざまな抱負が語られました。今回、初参加した2団体のメンバーは、「とても新鮮だった。違う病気や団体を知ることで自分たちのしたいことを発見することができた」「自分の団体に報告し、他のメンバーにも参加をすすめたい」などの感想がありました。今回、新しい試みとして学習会の様子をインターネットのUstreamを使って配信、これを情報伝達手段のひとつとして取り入れていく予定です。

参加団体
沖縄県難病・相談支援センター 認定NPO法人 アンビシャス/ 全国膠原病友の会 沖縄県支部/ 全国パーキンソン病友の会 沖縄県支部/ 日本ALS協会 沖縄県支部/ もやの会(もやもや病の患者と家族の会 沖縄ブロック)/ 沖縄県がん患者会連合会/ 宇宙船子宮号(沖縄県子宮がん患者会)