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活動紹介 第28回(2011)

活動紹介 第28回(2011)

第16回 沖縄学習会 in 沖縄(2011年7月12日)
臨床心理士に学ぶピアカウンセリング 傾聴の技術、日常のうつへの対処法

第16回沖縄学習会が前回に引き続き、沖縄国際大学教授で心理学博士・臨床心理士の上田幸彦氏を講師に招いて、開催されました。ピアカウンセリング技術の第2回目として、①傾聴の技術 ②相手が自分の病気をどのようにとらえているかを確認する ③相手の参考になるように自分の体験を伝える ④必要なところにつなぐ、という流れと各プロセスの詳しい解説を聞きました。傾聴の技術では、言葉以外の手段によるコミュニケーションである、ノンバーバルコミュニケーションを二人一組でのロールプレイングで体験しました。聴き手が横を向いている、向かい合うが一切動かない、腕や脚を組んで偉そうな態度で聞く、などの状況を設定。参加者からは、「聴き手の態度・視線・表情がいかに大切かを実感した」という感想が出ました。後半では「うつと病気」をテーマに、うつ病認知の三徴、うつに陥りやすい考え方と自動思考、日常でのうつへの対処法について講義を受けました。質疑応答では、「ピアカウンセリング時、答えられない質問にはどう対処すればよいか」に対し、「調べて/信頼できる人に聞いて、次回にお伝えします」と対応すること、また、つらい内容の話だった場合、最後にカウンセリングの“蓋を閉じる”ことが大切で、雑談やリラクセーションを行い、気分転換をしてから終了するというアドバイスを受けました。前回同様、今回もリラクセーション技術のひとつ、マインドフルネス瞑想法(目を閉じて腹式呼吸し、呼吸に意識を集中)を全員で実践して、学習会を終えました。

参加団体
沖縄県難病・相談支援センター 認定NPO法人 アンビシャス /全国膠原病友の会 沖縄県支部 /全国パーキンソン病友の会 沖縄県支部 /沖縄県がん患者会連合会 /ポリオの会 /沖縄重症筋無力症友の会(準備会)

第6回 東海学習会 in 愛知(2011年8月20・21日)
「つながる」ことが、患者のQOL向上に役立つことを認識した宿泊研修

第6回東海学習会が愛知県の「あいち健康プラザ」にて、1泊2日で開催されました。これまでの最多22団体35名が集い、初参加者も多数迎え、VHO-net の広がりを感じます。

今回のテーマは「難病、障がいをもって生きていくためのQOLを考える」。1日目には、京都のNPO法人稀少難病患者支援事務局(SORD)代表の小泉二郎さんによる講演がありました。SORDは、東日本大震災の被災地で約100ヶ所の避難所を回り、稀少難病患者を支援。難病患者の情報を得ることが非常に困難だった厳しい現状や、普段からの患者団体などとのつながりが必ず役に立つことなど、貴重な生の声に学びました。こういった問題提起を受け、災害時対策も含めた患者のQOL向上を話し合うワークショップが、4グループに分かれてスタート。翌日まで議論を続けました。まとめの発表では、当事者、家族、患者団体役員の立場から幅広く意見が出されました。

「病気に屈することなく生きていくこと ・支えてくれる人たちの存在・患者同士の励まし合い・行政や社会に訴えかけるために“患者力”をつけていくこと」が、QOL向上に欠かせない要素であること。また、共通のキーワードとして「つながる」「きずな」という言葉が挙げられたことが、印象的でした。

参加者はそれぞれ疾患、立場、抱えている課題も違うなか、このワークショップを通しての気づきを自身の患者団体に持ち帰る―それこそがVHO-netの特徴だとの共通認識を深めた、有意義な2日間となりました。

参加団体
NPO法人 愛知県難病団体連合会/ポリオ友の会 東海/竹の子の会/東海脊髄小脳変形症友の会/進行性核上性麻痺の患者会/全国パーキンソン病友の会 愛知県支部・静岡県支部/愛知県筋ジストロフィー協会/稀少難病愛知・きずなの会/愛知県後縦靱帯骨化症患者・家族友の会/日本二分脊椎症協会 東海支部/日本ALS協会 愛知県支部/愛知線維筋痛症患者・家族会/CMT友の会/静岡SCD・MSA友の会/全国膠原病友の会 三重県支部/稀少難病の会 みえ/三重心臓を守る会/MS TOMORROWS 三重支部(多発性硬化症)/ベーチェット病友の会 静岡県支部/NPO法人 静岡県難病団体連絡協議会/東海脊髄小脳変性症(SCD)友の会/香川県難病患者・家族団体連絡協議会

第15回 九州学習会 in 熊本(2011年7月9・10日)
熊本県の山鹿温泉にて実践につながる ピア・カウンセリングを学ぶ宿泊研修会を開催

梅雨明け直後の7月9日・10日、第15回九州学習会が1泊2日の宿泊研修として、熊本県山鹿市の「かんぽの宿 山鹿」で行われました。今回のテーマは、「つなげるパート2 〜団体と個人をつなぐピア・カウンセリング」。ピア・カウンセリングの考え方や方法を学び、実践につなげていく目的を掲げた学習会となりました。

1日目は、NPO法人「自立生活センターヒューマンネットワーク熊本」のピア・カウンセラー 山下紘史さんを講師に迎え、ピア・カウンセリングの考え方や方法を会得するワークショップに参加者全員で臨みました。山下さんは、当事者として障がいや病気のある人へのピア・カウンセリングを行い、熊本県を中心に精力的に活動されているピア・カウンセラーです。

ワークショップでは、ピア・カウンセリングを体験しながら、ピア・カウンセリングの意義や成り立ち、方法、ルールなどを学びました。山下さんは、ピア・カウンセリングの目的に、「自己信頼の回復」「助け合う関係づくり」「社会を変えていくこと」を挙げ、ピア・カウンセラーの役割は、同じ仲間として、相手が感じていること・言いたいことや気持ちを語れるようにすることと述べました。また「病気や障がいを伴って生きていくことは、その人にしか歩めない人生であり、自分たちが幸せに生きていくことは、すべての人の参考になる社会の財産である」と語りました。参加者からは「考え方が変わった」「生活に取り入れたい」「共感する点が多かった」「所属団体でも伝えたい」などの感想がありました。

2日目は、前日のワークショップを受けて、グループワークが行われました。

「活動の中で最も伝えたいこと」「それぞれの団体でのピア・カウンセリングについて、どのような活動を行っているか、これからどのような活動を取り入れたいか」「団体のリーダーとしての夢や目標」などについて話し合いました。

参加者からは「おしゃべりの部屋という活動を続けていたら新入会員が増えた」「介護者が気持ちを吐露できるような場を作っている」「ピアを意識していきたい」「難病だけでなく、障がい者も含めた広域型の連携を考えていきたい」「社会を変えることを最終目標としたい」「ピアという原点に立ち返りたい」などの意見・希望が出ました。

最後に、司会進行を担当した運営委員の陶山えつ子さんは「山鹿市は、医療や福祉に取り組んだ先駆者がいた地域なので、ぜひこの地で学習会を開催したいと考えていました。私たちも、地域社会をより良くしていくために、先駆者として活動していきましょう」と締めくくりました。

第15回九州学習会は、関東学習会運営委員の参加もあり、盛況な宿泊研修となりました。

参加団体
熊本県難病・疾病団体協議会/日本ALS協会 鹿児島県支部/熊本県精神障害者団体連合会/熊本IBD/くまもとぱれっと/ベーチェット病友の会 福岡県支部/NPO法人 全国精神障害者ネットワーク協会/全国膠原病友の会 福岡県支部/大分脊髄小脳変性症・多系統萎縮症友の会/九州IBDフォーラム 佐賀IBD縁笑会/エンジョイポリオの会(火の国ポリオの会)/熊本県難病・疾病友の会 ボチボチの会/熊本SCD・MSA/佐賀県難病支援ネットワーク/日本リウマチ友の会 鹿児島県支部/NPO法人 ともしび/公益社団法人 日本オストミー協会 ●佐賀県難病相談支援センター ●大分県難病相談支援センター ●鹿児島県難病相談支援センター