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自称、歌って踊れる難病患者 
夢が叶って『きらめきダンサーズ』を結成

第10回
佐賀県膠原病友の会 成清恭子

佐賀県膠原病友の会 成清恭子香

膠原病(SLE)患者、22年目のキャリアウーマンです(笑)。この病気は病状が良くなったり悪くなったりの繰り返しです。一番悪かったときは、全身がかちかちで体が動かなくなりました。ちょっとした段差でもつまずく、ドアのノブも回せない状態で、2年前には4か月半、入院しました。その時は全くの原因不明で、右足が麻痺してしまい、退院後も装具を付けていました。主治医からは車の運転をきつく禁止されていました。しかし、家にこもりたくないという気持ちがあり、運転して公園まで行き散歩をしていました。「絶対に歩くぞ!」と思いながら。そうしたら奇跡が起こったのです。半年後に自分の力で歩けるようになったのです。

小学生の頃は日本舞踊を習い、若いときはゴーゴーホールに通い詰めるほどダンスが好きでした。でも発病してからは疲れやすくなり、踊りたくても踊れませんでした。先の入院中に偶然、現在の佐賀県難病支援ネットワークの理事長の三原睦子さんに会い、「もうすぐ難病支援・相談センターができるから遊びに来て」と声をかけていただき、退院後に出かけました。病気や家族のことを相談するうちに、私がすごくダンスが好きだということを知った三原さんが「センターでダンスを教えたら」とおっしゃってくださったのです。「やったぁ! 一番好きなことができる場所があった」と、もう心が躍る踊る(笑)。この気持ちは薬以上の効果を発揮したと思います。さらに佐賀県膠原病友の会の15周年の集いで踊らないかと声をかけていただいて。でもメンバーが集まらなくて困っていると、入院中に仲良くなった医学生6人が参加してくれ、他の難病患者さん4人も加わり11人で『きらめきダンサーズ』が舞台デビューを果たしました。以来、昨年東京で行われた「第5回ヘルスケア関連団体ワークショップ」などいろんなところに出演させてもらっています。

リズムダンスですが、振り付けもみんなで創作したり、カラオケで覚えてアレンジしたり、アフロヘアのかつらも、うちのウリです。『マツケンサンバ』『どうにもとまらない』『愛と欲望の日々』などレパートリーも増えています。でも、『きらめきダンサーズ』は時々、『ヨリヨリダンサーズ』に変身するんですよ。みんな病気を持っていますから、病状により、都合により、不手際もあります。そこのところは堪え忍んで見てくださいと、踊る前にいつも話します。催しがあるとメンバーが集まって練習しますが、そろそろセンターで曜日を決めて教室にしようかというお話もあり、それなら我流だけではダメだと、本格的にリズムダンスの稽古に通い始めました。週に1回ですが、体力的にはやはり疲れます。でもダンスの疲れって不思議とすぐにとれてしまいます。踊っていると表情がいきいきしているとよく言われます。今の私はダンスが元気の素。「やるぞ!」という気になるのです。昨年8月、サガテレビの「演歌まつりパフォーマンス部」では、山本リンダの「どうにもとまらない」を歌って踊って1位をいただきました。私は病気のおかげで夢が叶ったと思っています。苦しんだけれどもいいこともたくさんある。患者会に入ってからのいろんな人との出会いは私の財産です。家にひきこもっていたら出会いはありません。その思いをアフロをかぶって、歌って踊って、もっともっとPRしていきたい。そしてたくさんの患者会の方々が『きらめきダンサーズ』に参加してほしい。それが私の夢です。