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活動紹介 第60回(2023)

活動紹介 第60回(2023)

第38回 九州学習会 in オンライン(2023年6月3日)
難病の子どもとその母親双方の講演を聞き体験談からディスカッションを行う

第38回九州学習会が開催されました。テーマは「親子の葛藤から未来へ」。エーラス・ダンロス症候群を発症した佐藤萌(はじめ)さんと、母の恵美さんの2つの講演からスタートしました。

エーラス・ダンロス症候群はコラーゲンを体内でうまくつくることができない難病で、萌さんの場合、強い痛みや簡単に脱臼してしまう症状があり、「小・中学生時は痛みや困りごとを相手に伝える語彙力や表現力が未熟で、伝わらないストレスを暴力や暴言で表現するようになった」と振り返りました。トランジション問題、長女、次女とのきょうだい児との関係、高校・大学への進学問題を通じて、「皆さんならどう支援しますか」という課題が投げかけられました。一方、恵美さんの講演では、多感な思春期と反抗期をどう乗り越えてきたのかが中心に語られ、スクールソーシャルワーカーとの出会い、毎日1時間のドライブで語り合った時間、くまもとパレット(長期療養中の子どもと暮らす家族の会)からのアドバイスや、一人暮らしで大学生活を送っている現在までの親子の葛藤が吐露されました。

2人の講演を受けて3グループに分かれて、ディスカッションへ。まとめの発表では、「ドライブで語り合う時間はとても良かったと思う」「子に寄り添ってもわからない時がある。わからないままに支えることもできる」「萌さんの意見が聞けて、とても参考になった。相談業務に活かしたい」などの意見が出ました。親子の葛藤を生の言葉で聞き、さまざまな支援の方策を検討した学習会となりました。

参加団体
■きらめき会
■(公社)日本リウマチ友の会 鹿児島支部
■日本ALS協会 佐賀県支部
■くまもとぱれっと
 (長期療養中の子どもと暮らす家族の会)
■認定NPO法人 佐賀県難病支援ネットワーク
■鹿児島県医療的ケア児者家族会
■鹿児島SMAの会
■NPO法人 ひょうごセルフヘルプ支援センター
■ハレバレ会
■九州IBDフォーラム 熊本IBD
■がんの子どもを守る会 熊本支部
■認定NPO法人 アンビシャス

第21回 北海道学習会 in ハイブリット(2023年6月4日)
グリーフケアをテーマとした講演を振り返りそれぞれの思いや体験を共有

第21回北海道学習会が、「グリーフケアについて・ふりかえり」をテーマとしてオンラインで開催されました。

まず、北のポリオの会の今田雅子さんが、前回学習会での高木慶子さんの講演の概要を紹介。その後、参加者各自が、講演の感想やグリーフケアに関する自らの思いや体験などを発表する形で進められました。

団体リーダーの参加者からは、「尊敬と信頼をもって丸ごと受けとめると繰り返されたのが印象的だった」「時間を経て感動が深まった」との感想や、「団体でもグリーフケアを行っているが、参加しなくなった人へのケアが課題」「話を聞いた側のケアも必要」などグリーフケアの課題、また「健康の喪失も必要な視点。所属団体では、高齢化する会員の孤立を防ぐために集まりを増やしている」といった取り組みも紹介されました。

認定遺伝カウンセラーの柴田有花さん(北海道大学病院臨床遺伝子診療部)、公認心理師の金井優実子さん、社会福祉士の石川央弥さん(どちらも北海道立子ども総合医療・療育センター)は、専門職の立場から、グリーフケアの事例や課題について発言。周産期グリーフケアの取り組みなど感慨深い内容も紹介されました。

まとめでは、高齢化や核家族化で身近にケアができる人が少なくなる中で、ヘルスケア関連団体にとってグリーフケアは大きな課題となっていくとの認識を共有。最後に、VHO-net理事の阿部一彦さん(仙台市障害者福祉協会)が「講演をもとに、参加者全員が感想や意見を述べ合い、思いを共有できるとてもよい取り組みだったと思う」と締めくくりました。
北海道学習会は専門職の参加者が多く、当事者団体のリーダーと専門職、双方からの視点でグリーフケアをとらえられたことも、今回の成果となったようです。

参加団体
■北海道ターナー症候群家族会
 ライラックの会
■北のポリオの会
■日本ハンチントン病ネットワーク(JHDN)
■(社福)仙台市障害者福祉協会

第43回 沖縄学習会 in ハイブリット(2023年6月25日)
事例報告と講演を聞き共同意思決定について学ぶ

第43回沖縄学習会が、浦添市のアイム・ユニバース てだこホールでの対面と、オンラインでのハイブリッド形式で開催されました。テーマは「共同意思決定について学ぶ」です。

まず、共同意思決定に関する事例報告があり、それについて全員でのディスカッションへ。症状が急変し意識がない状態で人工呼吸器を装着しなければならない患者に対し、医療者側、家族側がどう意思決定を進めていくのかが検討されました。この前提を経て、琉球大学病院 地域・国際医療部 特命助教で臨床倫理士の金城隆展さんによる「共同意思決定について学ぶ 〜意思決定支援から共同意思決定へ〜」と題した講演へ。「倫理とは詰まるところ、選択である」「選ぶこと(選べる自由)がその人らしさ(尊厳)につながる」「たとえ患者との意思疎通がとれなくても、家族や医療者は患者本人の意思を推定する義務がある」「いつか来る最期の時に患者・利用者と大切な人、医療介護者が、共に“よりよい決断”ができるように準備(話し合い)をしておくことが大切」といった説明や、共同意思決定の三つの覚悟として、①患者を置き去りにしない、②とことん話し合う覚悟、③共に悩み考え、共に決定していく覚悟=共同意思決定であること、などが語られました。

イラストや動画でのドラマ視聴も組み込まれた理解しやすい内容に、さまざまな感想が出され、「とても難しく大切なテーマなので今後も掘り下げていきたい」という意見もあり、充実した学習会となりました。

参加団体
■認定NPO法人 アンビシャス
■全国膠原病友の会 沖縄県支部
■日本ALS協会 沖縄県支部
■全国脊髄損傷者連合会
 沖縄県支部
■日本オストミー協会 沖縄県支部
■Me/cos患者支援ネットワーク
■(公社)日本リウマチ友の会
 鹿児島支部
■(公社)やどかりの里

第51回 関東学習会 in オンライン(2023年6月11日)
「共感を得られる組織」を目指して
ビジョンやミッションの伝え方などを学ぶ

第51回関東学習会がオンラインで開催されました。まず、CMT友の会の岸紀子さんが、准認定ファンドレイザー(NPO法人日本ファンドレイジング協会会員)としての立場から「共感を得られる組織とは」をテーマとした基本的な講義を行い、その後、グループに分かれて提示されたセッション・テーマをもとに話し合うグループワークを実施しました。

「団体のビジョン・ミッション」をテーマとしたグループワークでは、参加者が各団体のビジョンやミッションを紹介し合い、関連する悩みや課題などを共有。岸さんから「定款をただ紹介するのではなく、自分はどう理解しているか、自分の言葉で表現してみることが必要」との助言もありました。

次に「目的のために誰とつながるか」をテーマとしたグループワークでは、活動を充実させるために医療者や支援者、行政、社会福祉関係者、司法関係者などとのつながりを深めたいとの意見や、医療系学生や元気に活動する当事者、情報発信力のある人とつながることも必要ではないかとの提案などがありました。

その後、岸さんが、学びの整理としてロジックモデル(事業や組織などが成果を上げるために必要な要素を体系的に図式化したもの)の考え方などを解説。

最後に行われた「今日の気づき」をテーマとしたグループワークでは、「誰とつながるべきかを初めて考えた」「新しいビジョンを見つけていくのも重要。今回学んだロジックモデルを活用したい」「学会活動に向けて活動が活性化した。目標を立てて具体的に活動することは重要」「難しかったが新鮮な内容で、新しい視点をもつことができた」などの意見が交わされました。

今回は、他地域からの参加も可能なオープン開催で、さまざまな地域から団体リーダーが参加。グループワークでも活発な意見交換が行われ、有意義な学びと交流の場となりました。

参加団体
■あけぼの埼玉
■医療過誤原告の会
■CFS(慢性疲労症候群)支援ネットワーク
■CMT友の会
■(公社)全国脊髄損傷者連合会
■NPO法人 日本オスラー病患者会
■日本ハンチントン病ネットワーク(JHDN)
■NPO法人 東京難病団体連絡協議会
■(一社)岩手県腎臓病の会
■難病サポートfamiliaやまぐち
■(公社)やどかりの里

第28回 東海学習会 in オンライン(2023年7月1日)
高齢者の多い患者団体がどうオンラインに対応してきたか講演を聞き、討論をする

第28回東海学習会が、名古屋都市センターとオンラインによるハイブリッド形式で開催されました。テーマは、「障がい者団体におけるオンライン活動について」。

まず、ポリオ友の会東海の佐藤陽子さんが講演を行いました。ポリオとは、「脊髄性小児まひ」と呼ばれ、日本での感染流行は1950〜1960年で、1961年からのワクチン投与開始で下火になった疾患であること。その背景から現在の会員平均年齢が約75歳と高齢になり、コロナ禍での総会、役員会、交流会などのオンライン開催への移行が困難であったこと。手始めとして役員会にオンライン形式を導入。トラブルがありながらも、会場の確保不要、遠方からの参加が可能、天候に左右されないなどの理由から、オンライン活用が有用と判断し、以降、Zoomでの懇親会などを開催。ITに不慣れな人も多い中、根気よく練習会などを設定し、ようやく現在のハイブリッド形式に辿り着いた経緯や、オンライン化と同時に、ホームページ、FAX、はがき、電話などできめ細かく対応していることが発表されました。

講演を受けて、オンラインと会場、2グループでの討論が行われました。まとめの発表では、「組織として、とてもていねいな取り組みであり、また、役員の苦労が伝わってきた」「パソコンよりは、スマートフォンでLINEを使う方が家族などの協力もあるので入りやすいのでは」「ITの環境設定などは、内部だけでなく学生ボランティアやプロボノなど外部の力の導入も検討してはどうか」など、さまざまな意見交換が行われました。

参加団体
■Fabry NEXT
■ポリオ友の会東海
■日本筋ジストロフィー協会 愛知県支部
■東海脊髄小脳変性症友の会
■愛知県脊柱靭帯骨化症患者・家族友の会 (あおぞら会)
■もやもや病の患者と家族の会 中部ブロック
■NPO法人 愛知県難病団体連合会
■難治性疼痛患者支援協会 ぐっどばいペイン
■NPO法人 ひょうごセルフヘルプ支援センター
■(公社)やどかりの里

第42回 東北学習会 in オンライン(2023年7月8日)
誰もが暮らしやすい社会を目指して
団体リーダーの立場から就労支援を学ぶ

「障がいや難病があっても生き生き働ける社会を目指して」をテーマに、第42回東北学習会が仙台市青年文化センターを会場として、対面とオンラインとのハイブリッド形式で開催されました。

学習会では、当事者の就労について、(一社)岩手県腎臓病の会の島崎至さんと全国心臓病の子どもを守る会岩手県支部の菊池信浩さんによる事例発表、社会保険労務士・キャリアコンサルタントの原多喜子さんによる講演が行われました。原さんは、障がい者や難病患者の就労に関する課題や支援メニューを紹介し、「働く側と雇用側が情報を伝え合うことが重要。どのように働きたいのか、何ができるのかを情報発信してほしい」と述べました。

その後、会場参加者とオンライン参加者に分かれてグループディスカッションを実施。グループ発表では次のような意見や提案が紹介されました。

●自分の病気や障がいを理解して、適切に伝えるコミュニケーション力を高めたい
●ハローワーク担当者などの障がいや難病に対する理解を深める必要性を発信すべき
●就労支援は今後の団体の活動のバックボーンになるのではないか
●障がいや病気があるからこその気づきは、私たちの強み。
 気づきを社会に発信していくことは、誰もが住みやすい、多様性のある社会につながる
●病気や障がいについて伝えやすい自己PRのフォーマットを作りたい
●VHO-netで模擬面接やロールプレイの取り組みをしてはどうか

最後に地域世話人の池田久美子さん(患者会ピンクのリボン)が「団体リーダーとして就労にどう取り組むかを考える場となった。今後も東北発信として就労の問題に取り組んでいきたい」と総括。VHO-net監事の喜島智香子さん(ファイザー株式会社)が「法人化により就労問題についても取り組みやすくなったので、メディアや業界団体に働きかけていきたい」と締めくくりました。 

参加団体
■(一社)岩手県腎臓病の会
■患者会ピンクのリボン
■CFS(慢性疲労症候群)支援ネットワーク
■全国膠原病友の会 岩手県支部
■全国心臓病の子どもを守る会 岩手県支部
■宮城県心臓病の子どもを守る会
■仙台ポリオの会
■NPO法人 日本プラダー・ウィリー症候群協会
■乳腺患者会 プリティふらわぁ
■(公社)日本オストミー協会 横浜市支部

第53回 関西学習会 in オハイブリッド(2023年7月17日 )
合同講演会の名称が決定 “疾患は違えど。マッチング講演会”を模擬開催し、感想を述べ合う

第53回関西学習会が大阪市のたかつガーデンを会場に、対面とオンラインのハイブリッド形式で開催されました。

関西学習会が発足以来取り組んできたテーマ、患者・家族の声を医療・教育の場に届ける、その摸擬講演を重ねてきた成果として行う合同講演会の名称が“疾患は違えど。マッチング講演会”に決定。今回の模擬開催にあたりこれまでの経緯や講演の要約を説明するコーディネーターを、富山大学学術研究部教授の伊藤智樹さんが務め、社会資源という共通項(マッチング部分)で、対象を医療系大学1年生と設定。日本ハンチントン病ネットワークの中井伴子さんと、(一社)全国膠原病友の会の森幸子さんが講演を行いました。患者数が全国で918名というハンチントン病と、6万人を超える膠原病は、医療・生活面でそれぞれどんな社会資源の制度を利用し、共通の課題を抱えているのか、ハンチントン病家族、膠原病患者本人として、それぞれがどのように病気や社会資源の活用に向き合ってきたかが語られました。

講演を聞いた後の意見交換では、「難病である一人の生活者として、制度について勉強し懸命に生きていることに感動した」「マッチング講演会にすることで、支援の窓口が広がることを実感した」「大学1年生の学生が医師になったとき、何をしてほしいのかのメッセージを入れては」など、さまざまな感想が寄せられました。今回の学習会では、沖縄、中・四国、関東の地域学習会から5名が参加し、マッチング講演会の意義を広く伝えられた学習会となりました。

参加団体
■日本ハンチントン病ネットワーク(JHDN)
■腎性尿崩症友の会
■子どもを亡くした家族の会 小さないのち
■日本アラジール症候群の会
■NPO法人 ひょうごセルフヘルプ支援センター
■兵庫県網膜色素変性症協会(JRPS兵庫)
■大阪・生と死を考える会
■しらさぎアイアイ会
■全国心臓病の子どもを守る会 奈良県支部
■NPO法人 日本オスラー病患者会
■全国膠原病友の会
 沖縄県支部・高知支部・岡山県支部
■(公社)全国脊髄損傷者連合会

第35回 北陸学習会 in オンライン(2023年7月22日)
女性医療の視点からの講演を聞き自分事として受け止め、討論を行う

第35回北陸学習会がオンラインで開催されました。今回のテーマは、「すべての命が輝く社会にするために必要な事」。このテーマを受けて、女性クリニックWe! TOYAMA代表の産婦人科医であり、富山県議会議員でもある種部恭子さんが、「女性医療から、社会のスキマを埋めに〜The personal is political〜」と題して、講演を行いました。

女性とっての予期せぬ妊娠・貧困・暴力の連鎖について、女性医療を担うことで問題点が整理されていったこと、性同一性障害について、マイノリティに対して法律はどう守ってくれるのか・守ってくれないのかの現状と課題、産婦人科の医療と難病には共通項も多く、医療と福祉のスキマをどうつないでいくか、これまでの行動力と患者に寄り添い社会に立ち向かう姿勢などが熱く語られました。

この講演を受けて、2グループに分かれての議論へ。まとめの発表と全体ワークでは、「声を出せない人たちのその原因を追究し、見える化していくことが大事」「種部先生の話は自分の疾患とは関係がないが、まず一歩を踏み込むことの大切さを教えてもらった」「今まで自分の病気だけに固執していたが、今日の話で、どの病気にも背景にはいろいろな情報や課題があることを学んだ。自分の団体に持ち帰って議論したい」「さまざまな問題が多様で複雑化している。難病だけでなく、貧困問題にもつながるアプローチに取り組んでいきたい」など、意欲的な意見交換が行われました。

参加団体
■日本ALS協会 富山県支部
■富山県後縦靭帯骨化症患者家族会
■石川県OPLL友の会
■とやまSCD・MSA友の会(わかち会)
■いしかわSCD・MSA友の会
■認定NPO法人
 佐賀県難病支援ネットワーク
■くまもとぱれっと
 (長期療養中の子どもと暮らす家族の会)