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難病・慢性疾患全国フォーラム2018 「難病・慢性疾患全国フォーラム2018」が開催されました。

誰もが安心して医療が受けられる社会を目指し 難病法・改正児童福祉法の5年見直しに取り組む
難病・慢性疾患全国フォーラム2018

2018年11月17日、東京のJA共済ビル カンファレンスホールにおいて「難病・慢性疾患全国フォーラム2018」が開催されました。「難病・慢性疾患全国フォーラム」は、新しい難病対策と長期慢性疾患対策の確立を目指して、JPA、(公社)日本リウマチ友の会、認定NPO法人 難病のこども支援全国ネットワークの呼びかけによって、2010年から開催されてきています。

今回は難病法・改正児童福祉法(小児慢性特定疾病対策)の5年見直しへの取り組みをテーマとし、実行委員長の伊藤たておさん(一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会/NPO法人 難病支援ネット北海道・現 難病支援ネット・ジャパン)の「このフォーラムを、真に私たちの生き方や生活のあり方を助ける法制度へ転換するきっかけにしたい」との主催者挨拶からプログラムが始まりました。第一部では患者・家族の声として、「ウェルナー症候群患者家族の会」「膵島細胞症患者の会」「PXE Japan(弾性線維性仮性黄色腫および網膜色素線条症当事者の会)」「つくしの会(全国軟骨無形成症患者・家族の会)」「(一社)全国腎臓病協議会」「日本肝臓病患者団体協議会」による訴えが発表されました。第二部では「難病法・改正児童福祉法の5年見直しに向けて」と題して、患者・家族、医療者、厚生労働省担当者によるパネルディスカッションが行われました。続いて「私たちの声を国民に届け、難病や慢性疾患に苦しむ人もその家族も、障がいのある人も、高齢の人も、すべての人が安心して暮らせる日本の社会をともにつくっていきたい」とするフォーラムアピールを提案・採択。閉会挨拶として日本リウマチ友の会の長谷川三枝子さんが「よりよい制度をつくるためにも明日からまた活動していきましょう」と締めくくりました。
2015年の法施行から3年が経過する中で、今回のフォーラムは、難病対策の課題を改めて確認し、よりよい制度を整備することにより、誰もが安心して医療を受けられる社会に向けての歩みを進める機会となったようです。

パネルディスカッション
「難病法・改正児童福祉法の5年見直しに向けて」の発言から

JPA代表理事(一社)全国膠原病友の会代表理事 森 幸子 さん
難病や慢性疾患を抱える私たちが希望をもって生きることのできる共生社会の実現は、すべての人が安心して暮らしやすい社会であり、私たちの声がその実現につながることを願っています。難病法の基本的な認識と難病対策の基本理念、そして法案成立の時に示された衆議院・参議院の附帯決議が実現に向けたものとなるよう、法施行5年以内の見直しのこの機会に、皆さんとともに確認していきたいと考えています。

認定NPO法人 難病のこども支援 全国ネットワーク専務理事 福島 慎吾 さん
「子どもから大人への切れ目のない支援を実現するためのトランジション問題の解決」「疾病名による括りだけではなく、難病や慢性疾病による活動制限や参加制約を包含する新たな障がいの認定」「医療・保健・教育・福祉といった縦割りの枠組みを超えた総合的かつ横断的な自立支援や自己決定力支援」「医療的ケアのある子どもや通常の学級に在籍する子どもたちへの個別支援、包括的な家族支援」などが必要です。附帯決議と児童福祉法の精神をふまえた見直しを進めてほしいと思います。

医師、国立成育医療研究 センター理事長 五十嵐 隆 さん
難病対策について「指定難病患者のデータベース(DB)の充実度に疾患間での差があること」「小児慢性特定疾病としてDBに登録されない例が少なくないこと」「両DBが現状では連結されていないこと」「軽症患者を把握していないことにより、重症化の予防が損なわれる可能性のあること」など、多くの課題が残されています。難病患者や小児慢性特定疾病患者の治療の改善、経済的支援、自立支援が大きく改善することを願っています。

厚生労働省 健康局難病対策課課長 川野 宇宏 さん
難病法・改正児童福祉法では、法施行後5年以内を目途とした検討規定が設けられています。施行されて3年が経過し、新たな課題も指摘されています。今後の検討に向けて、患者の皆さんの声を聞かせていただきたいと考えています。