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このサイトは、ファイザー株式会社が社会貢献活動として発行しております『まねきねこ』の情報誌のウェブ版であり、個別の疾患の相談は受け付けておりません。
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第22回ヘルスケア関連団体ワークショップ
分科会 & グループ発表
「VHO-net 新たなるチャレンジ ! 」 〜私たちの声を社会に〜

第22回ヘルスケア関連団体ワークショップ
分科会 & グループ発表

「VHO-net 新たなるチャレンジ ! 」〜私たちの声を社会に〜

会場参加者26名、オンライン参加者31名の計57名が集い、ハイブリッド形式で行われた分科会。8つのグループに分かれて2日間、約6時間にわたる議論が繰り広げられました。3つのテーマ、「患者の声を医療に活かす」「患者の声を社会に活かす」「より良いパートナーシップを育む」をもとに、VHO-netの声を社会に届けるための仕組みづくりやアクションプランが検討されました。グループ発表の内容を要約して紹介します。

※各グループには、記録担当としてファイザー株式会社のボランティアスタッフが参加。
また、メイン会場には大型モニターが2台設置され、プロの音響、映像チームによって、ダイナミックで快適なハイブリッド会議の環境が整えられました。

患者の声を医療に活かす(①・②グループ)

話し合いのポイント
1. 患者力をつけ、また意思決定するためにはどういうことが必要か
2. これからの医療は患者による「治療の選択」をしなければならない
3. 当事者(家族も含む)も情報収集し、それを精査する力が必要となる

①グループ

■ 当事者による情報収集&整理と医療者と正しい情報を精査する

● 医療者と協働し意思決定をするために「○○の意思決定 ノート」を作成〜性格、どう生きたいか、病歴、ライフスタイルの変化など、自己決定をしていく中での選択肢を挙げ、メリット・デメリットなどを記載
● 患者力をつけ、意思決定をするために必要なこと
〜コミュニケーション能力、外来での医療者への質問ノートの作成、情報を端的に伝えるためのシミュレーションを行う
● 自分のことを伝え、医療者からも情報を得つつ、自己開示していく

②グループ

■ 患者団体に求められていること

● 意思決定を妨げる要素
〜情報不足、世代間GAP、検討に必要な時間や場
● 家族を支える観点で患者団体が行っていること
〜同じ境遇の方との出会いの場をつくることで、患者、家族両者の意思決定につながった
● 周知方法
〜医療機関でのチラシなどの掲示、難病相談支援センターとの連携で患者団体を紹介、公式LINEをつくり調剤薬局などに案内を設置
● 患者団体は、「悩んでいる方に寄り添い、ともに考える」
「患者の体験談や語りを社会に発信していく」

患者の声を社会に活かす(③・④・⑤・⑥グループ)

話し合いのポイント
1. 社会の仕組みや制度を学び、体験や課題をどう社会に発信するか
2. 社会の変化への対応
3. どんな場でも正々堂々と話ができる=社会へ発信することができる

③グループ

■ 現状と今後について
● 海外との比較では日本はかなり遅れている
● ビジョン&ミッションが団体内や社会に伝わっているか
● メディア取材は負担があっても断らない(社会とのつながりをもつ)
● 企業からの支援を得るために
〜キャリアコンサルタントを通じた企業内での就労支援推進
● 都道府県の審議会へ当事者委員として参画する

■ アクションプラン〜VHO-netでの取り組み
● オンラインスキルを身につけ、活動のハイブリッド化を組織で推進
● VHO-net所属団体の現状、ニーズを把握する(自分たちを知る)
● 課題を顕在化し、社会に発信するためのエビデンスとする
● 各種制度(医療・福祉)、国際比較のため日本の現状を正確に把握する

④グループ

■ 社会的障壁を乗り越えるために
● 社会制度やサポートを得るために、市民を含めた支援者を巻き込む
● 患者の行動する勇気が大事 
● 持続的な活動にするための工夫と仕組み
〜負担を分け合い、楽しさを伝えていく
● 発信できる場所として、VHO-netでのつながりを大切にする

■ 社会の変化への対応
● オンラインへの移行
〜活動面の幅が広がる一方、対面のメリットに改めて気づいた
● 持続的な活動、後継者育成のために活動の報酬の検討

■ アクションプラン〜正々堂々と社会へ発信
● 発信場所を増やす
〜VHO-netと横の連携を取り、団体として関係各所に伝え続ける
● 制度を学び、発信し、働きかけ、伝える勇気をもつ

⑤グループ

■ 社会の変化への対応
● ユニバーサルデザイン2020行動計画、バリアフリー法にどう取り組んでいくか、自治体の取り組みをウォッチし、団体として参画する
● 行政、ヘルスケア関連団体が互いの立場を理解し、協働する仲間という意識で取り組む
● 国内外にも認められる団体となるために、SDGsを掲げよう

■アクションプラン〜VHO-netや各団体での取り組み
●発信方法(SNSや紙媒体)のメリット、デメリットを知り、対象に合った発信力をつける
●語りの場をつくる〜講演会、交流会、本(マンガ・絵本)、ホームページなどでの体験の語りは価値があり、住みやすい社会をつくることにつながる

⑥グループ

■ 社会の仕組み、制度を学び、思いや課題をどう発信するか
● 地域での見守り体制の確立〜災害時の個別支援計画
● 周囲の理解を得る〜患者自らが話す合理的配慮
● 学びの機会を得る〜他団体との協働、行政への要請、Ji4pe/VHO-netなどの活用

■ アクションプラン〜正々堂々と社会に発信していく
● 関西学習会で取り組んでいる、模擬合同講演会にトライし てみる
● 他の患者の存在もバックにつけて自信にする
● 弱者が暮らしやすい社会をつくることを目標に歩む
● VHO-netのこれまでの実績を活かし、新たな取り組みに参画する

より良いパートナーシップを育む(⑦・⑧グループ)

話し合いのポイント
1. 協働する団体とどのように信頼関係を構築するのか
2. 他の団体と協働するうえで、相手のガイドラインを理解する
3. 双方にとってプラスになる関係構築のためには、何が必要か

⑦グループ

対企業
● 企業の目的を早い段階で理解する

対行政
● 直接&継続的に会う、臨機応変な対応
● 相手側のガイドラインと財政状況を理解する
● 事実やデータに基づいたプレゼン力、厚生労働省の研究班へのデータ提供
● 財政支援をしてもらう

対メディア
● 素性をよく調べ、編集方法、事実と違う内容に注意
● 報道ルールの理解
● 伝えたいターゲットを決めて活動

対医療関係
● 患者とのコミュニケーション方法を伝える
● 学会の発信情報を参考にする
● 医師や研究班から研究成果を提供してもらう

対学生/学校
● 疾患を理解してもらう、患者自身が講義を行う

共通項
● VHO-netに登録されている団体であることを活かす
● お互いのガイドラインを理解する
● GIVE GIVE GIVE and TAKE !!
● 自分の強み/弱みをきちんと発信する

■ アクションプラン
● VHO-net、各患者団体が、それぞれガイドラインを策定、点検する

⑧グループ

1. 協働する団体との信頼関係の構築
● 直接、対話を行う(書面やメールでは意思が伝わらないこともある)
● 研究調査の目的などは、口頭と文書で説明してもらい、お互いの立場に立った言葉を選びつつ「安全安心」なやりとりを行う

2. 協働する団体のガイドラインの理解
● 協働相手のルールをよく知ることで、交渉の仕方も見出せる
● 自分たちの団体のガイドライン作成も必要

3. 双方がプラスになる関係構築のために
● 対等な関係の中でお互いのメリットを確認し、研究調査やアンケートを受ける
● 希少疾病の薬剤開発の促進、機器の開発・輸入、法律や制度の改定には他の患者団体とも協働が必要

■ アクションプラン
● 協働する団体と、互いの到達地点を合わせる
● 夢や希望につながるビジョンをもち、トラブルを乗り越えよう !