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「市民が看護に求めていることを実践している看護師」を表彰
第1回ナースオブザイヤー開催

「市民が看護に求めていることを実践している看護師」を表彰 第1回ナースオブザイヤー開催

主催:NPO法人 楽患ねっと
後援:社団法人 日本看護協会

「ナースが元気になることは、皆が元気になることにつながる」という趣旨のもと《第1回ナースオブザイヤー》が開催されました。 「患者の視点で活躍する看護師」を医療関係者や専門家ではなく市民が選ぶことによって、がんばる看護師を元気づけるとともに、市民が求める看護師像を明らかにしようという画期的な試みについてご紹介します。

第1回ナースオブザイヤーの開催

ナースオブザイヤーとは「市民が看護に求めていることを実践している看護師」として他薦された人をウェブ・サイトに公開し、一般ユーザーからの投票によって、最も患者の視点で活躍する看護師をナースオブザイヤー賞、新たな可能性を感じさせる看護師をインディペンデントナース賞として選ぶというもので、結果発表と表彰式が2009年4月25日に東京・日本看護協会ビルJNAホールにおいて行われました。

投票の結果、第1回ナースオブザイヤー賞には全国訪問ボランティアナースの会キャンナス代表の菅原由美さん、第2位には東京有明医療大学看護学部講師の高橋雪子さんが選ばれました。第1回インディペンデントナース賞も「新たな医療インフラの可能性を開く」「超高齢化社会にふさわしい看護のビジネスモデル」と評価された菅原由美さんが受賞。第2位には、タイ、日本で国際的な活動をする李祥任さんが選ばれました。

授賞式では、女性デュオグループ、花乃ルサカによる「檸檬」がナースオブザイヤーのイメージソングとして披露され、また、フジテレビジョン報道局解説委員・キャスターの黒岩祐治さんが特別講演を行いました。黒岩さんは、人気ドキュメンタリーシリーズ「感動の看護婦最前線」のプロデュースキャスターを務めるなど医療報道に深くかかわった経験から、現在、国際医療福祉大学客員教授としても活躍されており、「現場と向き合い、常に患者さんの立場での視点をもち、医療の質を高めるためにがんばってほしい」と看護師を応援するメッセージを述べました。

市民が求める看護師像は《患者の声に応えるナース》

主催したNPO法人楽患ねっとは、患者中心の看護に活躍する看護師を評価するとともに、投票の際に寄せられる市民の声から《市民が求める看護師像》を明らかにすることをナースオブザイヤーの目的としています。今回は「治療とは違う心のケアを行う」「地域での生活を考えたケア」「看護を必要としている人へ、その手が届く」などの受賞者への投票理由から、より積極的に患者の声に応える看護が求められていると分析し、今年度の市民が求める看護師像を《患者の声に応えるナース》と発表しました。

ナースオブザイヤーを企画した背景と今後について、楽患ねっと理事長の岩本貴さんは「2005年にアメリカで患者の視点からの病院づくりをめざすプレインツリーのカンファレンスで、患者の視点での医療を実践するケアギバーの表彰を経験しました。そこから、日本でも患者中心の医療を支える看護師を元気づける仕組みが必要なのではと考え、ナースオブザイヤーを企画しました。今回は初めての試みで準備期間も短く参加者は少なかったですが、投票に参加した方の強い期待を感じることができました。今後はもっと広く医療関係者やマスメディアにも連携と協力を訴え、より多くの人たちの参加を得て発展させていきたいと考えています」と語りました。 ナースオブザイヤーにはファイザー(株)も協力しており、《まねきねこ》でもこの賞の進展を大きな期待をもって見守りたいと考えています。

受賞者紹介
ナースオブザイヤー賞・インディペンデントナース賞 1位

《全国訪問ボランティアナースの会キャンナス代表、開業看護師を育てる会 理事長、看護師、ケアマネージャー》

菅原さんは1997年にキャンナス《全国訪問ボランティアナースの会》を設立。現在では北海道から沖縄まで、約30箇所の支部が活動しています。「日本中に星ふるほどの訪問看護ステーションを!」というコンセプトのもと、看護師が個人でも訪問看護ステーションを立ち上げ、利用者の希望にきめ細やかに対応できる開業看護師制度を整備したいと奔走しています。菅原さんはナースオブザイヤー賞とインディペンディントナース賞をダブル受賞した感想を、「今回の受賞が、在宅看護の充実という夢の実現に飛躍的な第一歩となる気がします。今、在宅看護師こそ社会に求められている職種です。仲間であるみなさんに、ナースであることに誇りをもって一緒にがんばりましょうと伝えたいと思います」と語ってくれました。

ナースオブザイヤー賞 2位

《東京有明医療大学 看護学部講師元東京大学医学部附属病院 看護師長・病床管理マネージャー》

高橋さんは東大病院に41年間在籍し、治療だけではなく、地域で生活する患者の視点で、精神神経科におけるデイホスピタルや化学療法外来の設置など、数々の取り組みを実践してきました。ナースオブザイヤー賞2位に選ばれ「看護師を元気づける機会があることはとてもうれしい。これからも患者さんの思いを受け止められる、しなやかな心をもった看護学生を育て病院や地域に送り出したい」と述べました。

インディペンデントナース賞 2位

《NPO法人シェア・国際保健協力市民の会、看護師》

李さんは、海外において医療支援協力を行うNPO法人シェアのタイ駐在スタッフとして、HIV陽性者の支援活動やエイズ啓発活動に専念。2006年に帰国後、在日外国人の医療格差の問題に取り組み、最も必要とする人を医療に繋げ、幸せにする活動を行っています。インディペンデントナース賞2位に選ばれて、李さんは「命には国境がありません。世界がグローバル化している今だからこそ、幅広い活動、患者さん中心の医療が必要だと思います。今後もすべての人が平等に医療を受けられるように努力していきたい」と述べました。