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このサイトは、ファイザー株式会社が社会貢献活動として発行しております『まねきねこ』の情報誌のウェブ版であり、個別の疾患の相談は受け付けておりません。
該当する患者団体などをご紹介することは可能です。

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ウェブ上での交流や発信に力を入れる
JPAの取り組み
新しい2つのサイトを開設

ウェブ上での交流や発信に力を入れる
JPAの取り組み

新しい2つのサイトを開設

(一社)日本難病・疾病団体協議会(JPA)では、2023年春に「希少疾患交流情報サイト(通称 難コミュ)」、「JPAみんなのまち ふらっと」という2つのウェブサイトを開設しました。JPAの新しい取り組みとして注目されるウェブサイトの開設について、制作に携わったJPAの辻邦夫さんと陶山えつ子さんに取材しました。

希少疾患交流情報サイト「難コミュ」
患者団体や患者・家族の活動を紹介
希少疾患の患者のつながりを支援

一般社団法人<br>日本難病・疾病団体協議会(JPA)<br>常務理事<br>辻 邦夫さん<br>(全国CIDPサポートグループ) 一般社団法人
日本難病・疾病団体協議会(JPA)
常務理事
辻 邦夫さん
(全国CIDPサポートグループ)
(一社)日本難病・疾病団体協議会(JPA)では、希少難病の患者団体や地域のグループ、希少性ゆえに疾患ごとの患者団体をつくることができない患者さんたちの情報発信を支援し、相互連携を促進する場として「希少疾患交流情報サイト(通称 難コミュ)」を開設しました。
JPAでは厚生労働省難病患者サポート事業として、各地域の難病連の希少疾患グループの交流会を行っていましたが、コロナ禍で対面での活動ができなくなったことが、サイト開設のきっかけです。またJPAへの問い合わせとして「患者団体を探している」というものが多いことや、患者団体があっても「情報が少なくてどのような団体かわからず、入会を迷っている」といった相談も少なくないのが現状です。患者団体や、希少であるために患者団体をつくることができずSNSやブログで発信している方の情報をワンストップで得られるサイトをつくり、患者さんや家族がつながるきっかけとしたいという私たちの長年の思いも、このサイト開設の背景にあります。

信頼できる情報発信を目指して

対象とする希少疾患は、指定難病については患者1万人未満の疾患、小児慢性特定疾患については掲載依頼のあった疾患をすべて掲載することとしています。
サイトでは、患者団体や地域のグループを検索することができるほか、「つながりの輪」として、個人で情報発信している方のブログや連絡先などの情報を閲覧できるようにしています。信頼できる情報を発信していくために、プライバシーポリシーや運営ポリシーも明確にしています。
このサイトでの情報交換や交流を通し、希少疾患の患者団体や、患者・家族のエンパワーメントやネットワーク形成の支援を行うこと、さらにそれぞれの団体の定款や会則などを明確にすることで、団体の信頼性を高め、団体運営を支援していくことも目指しています。ゲノム医療をはじめ、希少疾患を取り巻く環境が進展して、希少疾患の患者さんが研究機関や企業と協働することも増えてきています。検索しやすくわかりやすいサイトを構築して、社会に向けての発信力も強めていきたいと考えています。

■開設日 2023年3月15日
■掲載疾患数 48疾患(2023年9月現在)
■掲載患者団体 22団体(2023年9月現在)

 
 
JPAみんなのまち「ふらっと」
仮想空間で情報発信や交流の拠点となるウェブサイト
仮想の『まち』をつくるに至った経緯

JPA 子どもの未来を考える部会長<br>陶山 えつ子さん<br>(熊本難病・疾病団体協議会) JPA 子どもの未来を考える部会長
陶山 えつ子さん
(熊本難病・疾病団体協議会)
JPAは、患者当事者や支援者、一般市民の誰もが参加できる『まち』をイメージした新たなウェブサイト、JPAみんなのまち「ふらっと」を開設しました。
以前からJPAでは、都道府県難病相談支援センターの活動の充実と、患者・家族の活動を支援し、難病問題についての国民的な理解を促進するために「全国難病センターの設置」を目指してきました。しかし、改めて考えてみると、どのような〝センター〞をつくりたいのか、あまり具体的なイメージがなく、またコロナ禍の中でオンラインによる活動が広まり、もはや人が集まる〝箱物〞をつくる時代ではないのではないかという思いもありました。
そこで、JPAだけでなく、患者支援団体や研究者、専門家が加わったプロジェクトチームを結成。ファイザープログラムの支援を受けて「全国難病センター設置に向けた実態調査」をJPA加盟団体や難病相談支援センター相談員、難病患者さんなどを対象に実施しました。その結果から、誰でも気軽に訪れておしゃべりすることができ、必要な情報が取得でき
る、仮想の『まち』をイメージしたウェブサイトをつくることになったのです。
まちの名称は、誰でもフラットに参加でき、ふらっと寄り道したくなるようにという意味を込めて『ふらっと』としました。コンテンツの内容については、(一社)ピーペックの宿野部武志さん、YouTube「とりすま」を運営する鳥越勝さん、群馬県難病相談支援センター難病相談支援員の川尻洋美さんなど7名と、私たちJPAの事務局メンバーで検討しました。

さまざまな人や団体とつながる場に

今の時点ではコンテンツとして、患者団体や患者の学びの場「まちの学校」、発信の場となる「スタジオふらっと」、語り合いの場となる「ちょこっとcafé」を開設しています。また、地震や台風など大きな災害発生の可能性がある場合は、トップページに緊急情報を掲載しています。
「スタジオふらっと」からは、毎月2回「ふらっとモーニング」という番組を配信しています。鳥越さんをMCに毎回ゲストを迎え、トークを交えながら、障がいや難病にかかわる情報を幅広く伝える番組です。「ちょこっとcafé」では、毎月第3金曜日にオンライン交流会を行っています。SNSとの連動も始めています。また、継続させていくためにサイト運営の負担が重くならないようにしていることも特徴で、事務局メンバーで分担しながら取り組んでいます。
今後、JPAの要望書や難病に関する法律などを集めた「図書館」、相談を受ける側も対象にした「相談室」などのコンテンツ開設を予定しています。JPAからの情報提供だけでなく、患者・家族の方はもちろん、難病相談支援センターをはじめ難病にかかわる多様な人々や団体、機関の情報発信や交流の場、みんなとつながる『まち』へと発展させていきたいと考えています。

プロジェクトチームメンバー
(一社)日本難病・疾病団体協議会(JPA)
(一社)ピーペック 代表:宿野部 武志さん
再発性多発軟骨炎(RP)患者会 代表:永松 勝利さん
YouTubeチャンネル「とりすま」 運営:鳥越 勝さん
就労支援ネットワークONE 代表:中金 竜次さん
群馬県難病相談支援センター:川尻 洋美さん
群馬パース大学 臨床心理士:鎌田 依里さん
NPO法人 難病支援ネット・ジャパン:永森 志織さん
(※順不同、所属は当時のもの)

■ 開設日 2023年2月24日